富山県図書館協会ナビゲーション事業

魚津市立図書館でぜひご注目いただきたいもののひとつが、館内にさりげなく配置された美術作品です。
たくさんの本との出会いとともに、さまざまなアートとの出会いもお楽しみください。(21年末日現在)

1階
富山省三「放物面の詩'78」 1978年
  富山省三寄贈

山本清「宙光季」 2009年
  山本清寄贈

金夏延『「WAVE」2000』 2000年
  魚津ロータリークラブ寄贈

長島勝正「多東翁胸像」 1961年

池田満寿夫「Red Muse」シリーズ
  中村松之助(古秋)寄贈
「赤い帽子の女」 1985年
「灰色のドレス」 1985年
「古風な女」 1985年
「白いカーテン・赤い髪」 1985年
「黒い帽子の女」 1985年

アルヴァ・アアルト「アアルトチェア」 
  1935年発表

デザイン一般公募「天井画」 2005年

ハンス・J・ウェグナー「Yチェア」 
  1950年発表

アルネ・ヤコブセン「セブンチェア」 
  1955年発表

柳宗理「バタフライスツール」 
  1956年発表

金子鴎亭「家持 早月川の歌」 1985年頃
  金光邦三寄贈

中村古秋「望」 1979年頃
  中村松之助(古秋)寄贈

喜見城「川柳碑」 1975年
2階
大平匡昭「書」 2005年
  大平匡昭寄贈

菅野純子「PRASMA02-4」 2002年
  菅野純子寄贈
※敬称略
富山省三(とみやま・しょうぞう)「放物面の詩'78」
 魚津市御影の古民家を工房として活動する富山は、現代日本美術展入選をはじめ、県内外で活躍する木彫工芸家である。木の質感を生かした、生命力にあふれた作品を得意としており、平成21年には図書館ふるさとアート事業第1弾として館内で作品展が開催された。木の息吹を感じさせるかのような堂々としたたたずまいのこの作品は、図書館の入口で来館者を迎えるにふさわしい。


「放物面の詩'78」

「宙光季」
山本清(やまもと・きよし)「宙光季(ちゅうこうき)」
木と金属という異なる素材を組み合わせて独自の美術作品を生み出す山本は、「宙光季」シリーズで日展特選を受賞。平成21年に図書館ふるさとアート事業第2弾として展示されていた同シリーズ作品の内から1点が寄贈された。宇宙の広がりを感じさせるこの作品は、物語と言葉の無限の集まりである図書館とマッチしており、まさに魚津市立図書館の顔となっている。

金夏延(キム・ハジュン)『「WAVE」2000』
韓国で生まれ育った金は、釜山・東京・金沢など数々の大学で金属工芸を学び、金沢美術工芸大学で博士号も取得した。日本国内の美術展で多数入選を果たすほか、精力的に個展を開催する、新進の金属造形家である。「WAVE」シリーズでは、そのタイトルが示す「波」の曲線美を、現代的で洗練された表現により作りあげている。

 長島勝正(ながしま・かつまさ)「多東翁胸像」
昭和36年竣工の前魚津市立図書館について、その建築費全額を寄附した多東清吉の功績を称え制作された。銘板には「資性寛宏で無欲恬淡、郷土の発展と人材の育成をひたすら念願し、その衷情はついに本図書館の設立となる。(中略)翁の芳志が深く市民の心に脈うち永久に華ひらき薫らんことを祈念する」とある。原型は県文化財保護委員も務めた彫刻家長島勝正の制作、題字と銘文は富山県が生んだ現代書家大平山濤(おおひら・さんとう)の手による。
 池田満寿夫(いけだ・ますお)
「Red Muse」シリーズ
「赤い帽子の女」 「灰色のドレス」 「古風な女」
 「白いカーテン・赤い髪」  「黒い帽子の女」

「赤い帽子の女」

「黒い帽子の女」
 池田は版画家、作家、映画監督、さらに陶芸と、現代日本の最も幅広い分野で活躍した芸術家のひとりである。特に版画の分野で残した功績は多大であり、現代版画隆盛招来のスターと評される。繊細だがどこか狂おしさを秘めた独特の官能的な銅版画を得意とし、館内に展示されている5点の作品も鮮やかな色と線が織り成す印象的なタッチで来館者の目を惹きつけている。
アルヴァ・アアルト「アアルトチェア」
 曲げ木を取り入れたシンプルかつ愛らしいデザインが特徴。アアルトはユーロ導入前のフィンランド紙幣に肖像が描かれていたほどの、北欧で愛される家具・食器デザイナーである。児童コーナーに配置することで子どもでも座りやすく、また親しみやすい雰囲気を作り出すことに成功している。

「アアルトチェア」
デザイン一般公募「天井画」
さまざまな動物たちが集う森の中のイメージで描かれており、ブラックライトを灯すことによって幻想的な夜の森の絵が浮き上がるようにもなっている。本に触れ始める子どもたちの想像の芽をふくらませるとともに、外界と切り離された空間の中で物語世界に没頭することができるようなコーナーに仕上がっている。

「Yチェア」
ハンス・J・ウェグナー「Yチェア」
 17歳にして家具職人のプロライセンスを取得したデンマークの椅子職人ウェグナーの代表作であり、優雅さと軽快さを併せ持つデザインで高い人気を誇る。日本に輸入されている外国椅子の中では最も長期間、最も多く輸入された椅子と言われている。
アルネ・ヤコブセン「セブンチェア」
北欧モダンデザインの代表とされているデザイナーヤコブセンの最も有名な作品であり、世界中で500万脚以上が愛用されている。くつろぎコーナーの窓側に1列に配列されていることで、軽快でリズミカルな雰囲気を生み出している。
柳宗理(やなぎ・そうり)「バタフライスツール」
 同じ形の合板2枚を真ちゅう金具でつなげた独特の構造をしており、日本を代表するデザイナー柳の作品群でも最も著名な作品といえる。「バタフライ」の名のとおり蝶が舞うような優美な造形をしており、ニューヨーク近代美術館やアムステルダム市美術館の永久コレクションとなっている

「バタフライスツール」

「家持 早月川の歌」
金子鴎亭(かねこ・おうてい)「家持 早月川の歌」
 金子は戦後「近代詩文書」を提唱、その確立と普及に多大な功績を挙げ文化勲章を受章した。古典の書法に根ざした、漢字と仮名がリズミカルに交響し調和する金子の近代史文書は、大衆性を持った現代芸術として多くの人に愛されている。寄贈は初代魚津市長金光邦三。

中村古秋(なかむら・こしゅう)「望」
歴史・芸術分野に造詣の深かった中村松之助(雅号:古秋)は中村画廊の設立、市文化協会会長・魚津歴史同好会会長を務めるなど魚津の文化の発展に大きく寄与した。書の分野についてもその才能を発揮し、寄贈されたこの作品では文化の礎となる図書館にふさわしい、希望と力にあふれた筆跡を見せている。

喜見城(きけんじょう)「川柳碑」
 魚津出身の歌人喜見城(本名:木村時次郎)の作「何もかも捨てて枯野の柿の紅」について、当時の市長清河七良ほか数人を発起人として旧図書館前に建立されたもの。平成17年に開館した新図書館にも歌碑はそのまま移設され、当時の面影を忍ばせている

「川柳碑」

「書」
大平匡昭(おおひら・まさあき)「書」
 昭和52年の宮中歌会始めの選歌(国民の応募作から特に選出されたもの)となった畑山正隆作「蛍いか魚津の海にひしめきて星なき夜のうねり明るし」の歌を大平が書きあげたもの。ほたるいかが青白く光る様子を思い浮かべるようにと青みがかった墨を使用して書かれており、作品全体の重心を下げ、行にゆらぎを持たせることで海中を泳ぐ姿も表現している。
菅野純子(すがの・じゅんこ)「PRASMA02-4」
魚津市在住の洋画家菅野は、国内外の展覧会に精力的に作品を出品・入賞のほか、市内で美術教室「パレットハウス」の講師も務める。作品のテーマである「プラズマ」とは血液中の「血しょう」の英訳であり、生命の根源がもつ力強さと美しさにあふれる抽象画を描き続けている。